実店舗のような丁寧なお客さま対応と業務負荷の大幅改善を両立!東急百貨店の EC サイトの取り組みとは
時代の変化に機動的に対応し、常に信頼され親しまれるスペシャリティー高い金融グループであり続けることを目指す株式会社あおぞら銀行。
個人のお客さまには、個人向けマネーサービス BANK を中心に、コールセンター、店舗、外部のシェアオフィスを通じて、ユニークで専門性の高いサービスを提供している。
BANK は現時点で75万口座を超える規模に成長しているが、一方でインターネットバンキング等の操作に関する問い合わせも増加しているという課題があった。この課題を解決するために導入されたのが、チュートリアルソリューション Withdesk Automate だった。
Withdesk Automate を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、BANK 企画部の S. A. 氏にお話を伺った。
BANK 企画部は、個人向け金融サービスである BANK を提供する部署であり、「預けるなら BANK」としてお客さまに支持される存在であり続けることを目指している。
「これまであおぞら銀行では個人のお客さまに対しては、対面を中心に専任担当者による丁寧なコンサルティングを提供してまいりました。その中で、デジタル化等の新たなお客さまのニーズに応えるため、シンプルかつスマートな金融サービスを提供する BANK を2019年より展開しました。BANK 企画部では、BANK として個人向けの非対面サービスの企画・設計を担当しており、具体的にはインターネットバンキングやアプリを通じて提供するサービスの企画、設計や改善に取り組んでいます」(S. A. 氏)
個人向け金融サービスである BANK は、2019年の提供開始後、好評を博しているという。
「BANK の提供開始前に比較すると口座開設数は7倍となり、現在では75万口座を超える規模に成長する等、多くのお客さまにご利用いただいております」(S. A. 氏)
BANK が急速に普及する一方、課題も発生していたという。どのような課題が発生したか S. A. 氏にお伺いした。
「BANK の急激な普及により、インターネットバンキング等の操作に関する問い合わせも増加しました。特に多かったのが、パスワードの再発行に関するお問い合わせでした。インターネットバンキングはセキュリティを担保するために複数のパスワードを使い分ける仕様になっており、これを失念されたお客さまからコールセンターへお問い合わせいただくケースが多くありました。1件の対応に1時間以上かかることもあり、お客さまのためにも、行内の体制としても、問い合わせ数自体を減らす必要がありました」(S. A. 氏)
この課題に対し、複数の対策を講じてきたが、いずれも効果は限定的だった。
「FAQ ページの刷新や操作画面内の文言の見直し、説明動画や専用コンテンツの作成、チャットボットの導入などを行ってきましたが、期待したほどの効果は得られませんでした。FAQ などを整備しても、説明が記載されている該当のページにたどり着けずに途中で離脱してしまう等、あと一歩の使い勝手が足りない状態だったのです。Web 操作の途中でつまずかないようにしなければ、お客さま自身の自己解決には繋がらないと痛感しました」(S. A. 氏)
お客さまが Web 操作の途中でつまずき、問い合わせ数が減らないという課題に対して、お客さまの自己解決をサポートできるツールとして Withdesk Automate の導入が検討された。
「コールセンターでは、お客さまへの案内をもっと分かりやすくしたいという思いから、様々なツールを検討していました。その中で、Withdesk Automate の存在を知り、行内で情報共有されたことが始まりでした」と S. A. 氏は語る。
その情報を受けて、すぐにデモの依頼を打診したという。
「デモを拝見して、視覚的に理解しやすく、初めて使う方でも迷わず操作できると感じました。そこで、社内で取り組んでいた FAQ の充実など既存手段と、3つの観点で比較を行いました。
①お客さまが直感的に自己解決できること
②費用対効果に優れていること
③部署内でチュートリアルの修正・追加ができること
この中で最も重視したのは、①お客さまが直感的に自己解決できることです。導入の目的は問い合わせ数の削減にあり、導入コストが安くても、いくら設定が簡単であっても、効果が出なければ意味がない。お客さま自身が自己解決できる仕組みを導入することが本質だと考えていました。
加えて、③部署内でチュートリアルの修正・追加ができる点も大きな魅力でした。付き合いのあるベンダーに開発を依頼する形だと見積もりや開発工数などを含めて3〜5か月ほどかかってしまうこともある中で、部署内の判断で柔軟に設定できることは重要でした」(S. A. 氏)
さらに導入に際しては、コールセンターと密に連携しながら進めたことで、行内の合意形成も非常にスムーズだったという。
「コールセンターがお客さまの対応を担うため、デモ内容も共有するなど初期段階から一緒に検討しておりました。現場の声を尊重しながら進めたことで、組織全体としても前向きな雰囲気のなか、合意形成ができたと思います」(S. A. 氏)
Withdesk Automate の導入にあたり、約半年の準備期間を経て、2024年7月末に正式運用を開始。チュートリアルの設定からリリースまでをすべて部内で完結できる体制を整えている。
「まずは私自身がチュートリアル作成に関する設定方法を習得の上、そのノウハウを展開し、自分たちの手でチュートリアルの設定からリリースまでを完結できるようにしました。チュートリアルを作成するにあたり、ウィズデスクのカスタマーサクセスの担当者による丁寧なサポートのおかげで、短期間でスムーズに習得できました」(S. A. 氏)
導入時には、利用者のストレスを最小限に抑えるための設定にも工夫を凝らしたという。
「インターネットバンキングには、お客さまが選択した内容などに応じて、操作手順が分岐する箇所が多く存在します。複数の操作手順を分岐の機能を用いて1つのチュートリアルで設定することで、様々なパターンの操作手順を網羅してサポートできるようになりました。
また、文章だけでは伝わりにくい内容には、画像を活用した視覚的な案内も取り入れました。細かい内容ですが、こういった工夫の積み重ねが、お客さまの自己解決しやすい体験につながっていると感じています」(S. A. 氏)
様々な工夫のもと導入された Withdesk Automate。この導入により、あおぞら銀行ではわずか2か月で問い合わせ数を約25%削減するという劇的な成果が得られたという。
「FAQ やチャットボットなど、これまでも多くの対策を講じてきましたが、ここまで劇的な効果が出たのは初めてです。Withdesk Automate の効果は明らかでした。また、自分たちで柔軟にチュートリアルの修正が可能となりましたので、お客さまの声をすぐに反映できる体制も整いました」(S. A. 氏)
従来は、操作説明の問い合わせが1時間以上に及ぶケースもあったが、そのケースも減ったと S. A. 氏は語る。
「Withdesk Automate の導入によって、問い合わせ件数の削減に加え、長時間のお客さま対応もなくなり、コールセンターに余裕が生まれました。その分、より本質的なご質問やご相談に対して、丁寧に向き合えるようになったのは、大きな変化です」(S. A. 氏)
電話のつながりやすさも改善され、お客さまにとっても、より快適な体験へとつながっている。
「本来、当行が時間をかけるべきは『どの商品が自分に合っているか』といった、お客さまの目的に寄り添った支援だと考えています。その意味でも、Withdesk Automate の導入によって、本来注力したい領域にリソースをシフトできた効果は非常に大きいです」(S. A. 氏)
さらなるサービス拡充に向けて、活用範囲を広げていく構想も進められている。今後の展望と Withdesk Automate の導入を検討している企業へのアドバイスを伺った。
「インターネットバンキングの操作に関する問い合わせ数の削減という課題に対して、Withdesk Automate は劇的な効果を発揮しました。今後は、インターネットバンキング以外のサービスにも展開していく予定です。新たな商品を展開していく際には、初めて使う方でも直感的に操作できる導線を用意する必要があります。その点において、Withdesk Automate のチュートリアル機能には大きな可能性を感じています。
また、Withdesk Automate は導入費用や導入期間の手軽さもあり、まずは試してみるという進め方も可能ですので、お客さまに直感的に操作できる導線を提供する必要がある方は検討に値するツールだと思います」(S. A. 氏)
お客さまの自己解決を後押しすることで、お客さま対応の質そのものを引き上げた本取り組み。今後も、お客さまの自己解決を促進する環境づくりと、より本質的な価値提供に向けた支援体制の構築が進められていくだろう。
※掲載内容は取材当時のものです。
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