チュートリアルを活用し、問い合わせ数を約60%削減!電子契約システムの利便性向上に貢献した裏側とは
「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」に向けて、総合エネルギーサービス事業の進化による分散型社会の形成やカーボンニュートラルへの挑戦、そしてデジタル技術の活用による事業構造変革に取り組む北海道ガス株式会社。2016年、2017年の電力・ガス小売全面自由化を受け、主にエネルギー契約をしているお客さま向けにガスや電気の料金・使用量確認、省エネアドバイスなどの各種サービスを提供している会員制 Web サイトが「TagTag(タグタグ)」だ。
「TagTag」の操作に関するお客さま対応を担う北ガス TagTag サポートセンターでは、2024年8月の検針票の発行終了に向け、お客さま対応業務の効率化に取り組む一環で Withdesk Browse を導入している。
Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入後の活用方法、そして導入後の効果について、エネルギー企画部エネルギー企画グループでマネージャーを務めるK. T. 氏、同グループ主査の S. W. 氏、Y. O. 氏にお話を伺った。
「北国(ki-Tag-uni)の暮らし」と「北ガス(ki-Tag-as)」を組み合わせて名付けられたマイページ「TagTag」は、もともとガス料金をお客さまへ通知するサービスからスタートした。その後、2016年、2017年の電力・ガス小売全面自由化を受け、「TagTag」上でさまざまなサービスの提供が始まった。今回お話を伺ったエネルギー企画部ではこの「TagTag」の企画、運営、そしてサービス改善をミッションとしており、お客さま対応を担う北ガスTagTag サポートセンター(以下、サポートセンター)の統括も担っている。
このサポートセンター立ち上げの背景から現在のミッションについて、エネルギー企画部エネルギー企画グループでマネージャーを務めるK. T. 氏にお話を伺った。
「サポートセンターは2023年に管理者含め6名前後の規模でスタートしました。オペレーターは全員新規で採用しており、私たち社員がお客さまへのご案内方法やオペレーションをゼロから立ち上げました。
2024年8月から環境負荷の軽減を目的とした検針票発行終了に対応するべく、お客さまがスムーズに『TagTag』の会員登録ができ、正しくマイページを操作できるようにするため、まずはお客さまの声に耳を傾けてお困りごとをしっかり解決することをゴールとしています」(K.T. 氏)
紙の検針票の発行終了まであと10か月となる2023年10月頃からは、お問い合わせ1件あたりの対応時間(お困りごと解決までの時間)を短くし、サポートセンター業務の効率化に取り組んでいくことになったと話すのは、エネルギー企画グループで主査を務めるS. W. 氏だ。当時のサポートセンターが抱えていた課題について当時の状況を振り返っていただいた。
「お客さまが会員登録を進める場合、まずご自身のメールアドレスを登録し、お客さま番号や料金のお支払い情報といった会員登録に必要な情報を入力いただく流れとなります。そのため、ご年配の方だとサポートなしで登録を完了するのはなかなか難しく、『TagTag』の操作に関するお問い合わせのうち、およそ8割以上がご年配の方でした。
そのため、ご年配のお客さまに対するサポートを効率化し、少しでも多くのお客さまのお困りごとを解決することが重要だと考えたのです」(S.W. 氏)
そこでお客さまのお困りごとを解決するまでの所要時間をひとつの指標とし、お客さま対応に時間がかかっているポイントについて確認することになった。実際にオペレーターから話を聞き、実際のお客さま対応の記録を確認すると、お客さまがどこの操作に困っているのかを特定するまでに時間がかかっていることが判明した。
「お客さまの画面を直接見られないため『お客さまは本当に私が話したページを開いているのだろうか』『お客さまは私がお願いした通りの操作ができているだろうか』と手探りでサポートするしかありませんでした。また、ご年配の方の8割近くがスマートフォンで操作されていることが多く、誤操作が発生していることもよくありました」(S.W. 氏)
ウィズデスクから Withdesk Browse の案内があったのは、まさにお客さま対応の効率化に悩んでいたタイミングだった。「まさに巡り合わせ」と当時の状況を振り返るS. W. 氏に、サービス検討時に重視していた要素について伺った。
「Withdesk Browse をご案内いただいたことをきっかけに、他社の画面共有サービスと比較検討させていただきました。各社のサービスそれぞれに強みと弱みがあり、お客さまへのご案内までの流れも異なっていました。
そこで弊社がまず重視したのが、お客さま目線で分かりやすく、画面共有を始めやすいことです。Withdesk Browse の場合、該当の箇所をクリックもしくはタップするとお客さま側にモーダルが表示され、オペレーターから伝えられたコードをモーダルに入力するだけで画面共有を開始できます。
サービスによってはお客さまにアプリをダウンロードしていただかなければ画面共有できない仕組みや、お客さま側からは画面共有を終了できない仕様のサービスもあったという。アプリのダウンロードが不要かつお客さま側から画面共有を終了できる Withdesk Browse は高評価でした」(S. W. 氏)
その他にも比較検討時のポイントとして、PC はもちろん、スマートフォンを利用しているお客さまにも画面共有サポートができること、お客さまとオペレーターの双方が簡単に操作できること、そして同業他社での導入実績が多くあることを評価。その結果、Withdesk Browse を導入する流れになったという。
2023年8月頃より Withdesk Browse の導入がスタートし、お客さまから「TagTag」の操作に関する問い合わせが増加しはじめた2024年4月頃から本格的な運用が始まった。同社では「TagTag」のフッター部分に画面共有を開始するためのリンクを設置している。
サポートセンターで Withdesk Browse の利用を始めるにあたり、現場管理者とオペレーターに画面共有サポートの案内方法についてレクチャーを実施。レクチャー自体は1時間ほどで完了し、その後1〜2週間ほどかけてトークスクリプトやご案内のフローの整備を行ったという。その際に大事にしていたことがセキュリティについてのご案内だったと、サポートセンターのマネジメントを担うY. O. 氏は話す。
「お客さまに Withdesk Browse による画面共有をご案内する際、最初にセキュリティの心配は不要である旨をお伝えします。具体的にはパスワードやID 名、『秘密の質問と答え』など個人の特定につながる情報は、オペレーター側が閲覧できないようにマスキングされていることを伝えています。
また、お客さまから特に好評を得ている機能が、オペレーターによる代理入力サポートです。マスキングされている個人情報を除く、お客さま番号やメールアドレスといった全角・半角を間違えて入力しやすい項目などで活用する場面が多いです」(Y.O. 氏)
お問い合わせ1件あたりの対応時間(お困りごと解決までの時間)を短くすることを目的として始まった今回の Withdesk Browse 導入。取り組みが始まってから少し時間が経ち、検針票の発行が終了した現在、お問い合わせ対応ではどのような成果が得られているのだろうか。
「Withdesk Browse 導入前は対応時間が長く、オペレーターも課題を感じていましたが、導入以降は約7分短縮することができました。全体の対応時間のうち短縮されたのは、主にオペレーターがお客さまのお困りの箇所を特定するまでの時間です。
オペレーターにとって7分の時間短縮はかなり大きな効果があり、受電率を上げることで、より多くのお客さまのお困りごとを解決できるようになっただけでなく、心理的な負担がかなり減っていると思います。実際に先日、サポートセンターの方々から『お客さまのお困りごとをスムーズに解決までご案内できることが、仕事のやりがいにもつながっている』との声を聞きました。
こうしたオペレーター業務の改善によって、検針票の発行終了のご案内に伴い、一気にお問い合わせ数が増加した2024年6〜8月の期間を乗り越えることができました。あくまで仮定ですが、もし Withdesk Browse を導入していなければ、追加で10名ほどのオペレーターが必要だったかもしれません」(S. W. 氏)
「Withdesk Browse を導入した当初、画面共有はお客さまに断られてしまうのではと不安視する声もありました。ただ、お客さまへのご案内が始まると、意外と自身の操作画面をオペレーターへ共有することに対する抵抗感は少なく、『今すぐ困りごとが解決したいから画面を見てほしい』といった反応が多いですね。」(Y.O. 氏)
2016年、2017年の電力・ガス小売全面自由化をきっかけにスタートした、「TagTag」を中心とするお客さまとのコミュニケーションの今後の展望を伺った。
「もともとガス会社とお客さまは、顔と顔をあわせた対面での関わり方が中心でした。しかし近年ますますデジタル接点の重要度が増し、それはコロナ禍以降さらに加速したと感じています。こうした変化に乗り遅れず、『TagTag』会員を増やしていくことでデジタル接点の創出に引き続き取り組んでいく予定です。
対面での関わりやお電話での対応=リアル接点での対応の中で、なかなかデジタルに慣れないお客さまをお電話越しにお手伝いすることのできる Withdesk Browse は、『リアルとデジタルをつなぐサービス』と言えるのではないでしょうか。お客さまにデジタル化を促し、ご案内する必要があるサービスや事業にこそ、Withdesk Browse はマッチすると思います」(K. T. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
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