顧客対応時間を半分以下に短縮し、お客さまサービスの質を向上! メディケア生命保険が取り組んだ DX 推進プロジェクトとは
東京電力グループで主にエネルギーの販売、提供といった小売電気事業を手掛ける東京電力エナジーパートナー株式会社。法人向け、家庭向けに電気とガスを販売・提供する一環として、家庭のお客さま向けに運営しているウェブサイトが「くらしTEPCO web」だ。
同社のカスタマーセンターでは、この「くらしTEPCO web」の操作方法に関するお問い合わせを受け付けており、お客さまにより満足、感動いただけるサービスを提供するため、Withdesk Browse を導入している。
Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入後の活用方法、そして導入後の効果について、カスタマーセンター所長の H. K. 氏、CX 向上室の S. O. 氏にお話を伺った。
今回お話を伺ったカスタマーセンターでは、お客さまからの電話による問い合わせに日々対応している。また、問い合わせへの対応だけでなく、お客さまの声を起点にしたサービスの改善にも積極的に力を入れているという。
昨年までカスタマーセンターに在籍し、現在は CX 向上室の業務に取り組んでいる S. O. 氏に、カスタマーセンターで重要視している考え方についてお聞きした。
「弊社のサービス理念のひとつに掲げているのが、『「安心で快適なくらし」の実現に向け、電気やガスの安定供給にとどまらず、「エネルギーの未来を切り拓く」ことで、お客さま 一人ひとりの期待を超える価値を提供していくこと』です。電話による受付を行うカスタマーセンターは、『正確』『迅速』『丁寧』の実践を通してお客さまに満足いただけるカスタマーサポートセンターを目指すとともに、お客さま視点からの改善にも取り組んでいます。
カスタマーセンターでは、お客さまのお悩みやトラブルを解決し、さらには、満足、感動につながるよう丁寧な応対やサービスを提供することで、最終的には当社のファンになっていただけるよう、日々努力を続けています」(S.O. 氏)
カスタマーセンターでは一般的な問い合わせだけではなく、「くらしTEPCO web」の操作方法に関するサポートも提供している。「くらしTEPCO web」立ち上げの目的やサービスの詳細について、カスタマーセンターで所長を務める H. K. 氏にお伺いした。
「ご家庭のお客さま向けのウェブサイトである『くらしTEPCO web』は、暮らしにまつわる総合インフォメーションサイトを目指してリリースされました。お客さまのご契約内容や電気やガスの使用量、請求金額の確認、各種契約・キャンペーンへの申し込みができるだけでなく、電気や家電の上手な使い方といった暮らし全般をサポートする情報を発信しています」(H.K. 氏)
「現場のオペレーターが不安に感じていたのは、ウェブサイトの操作方法をお客さまへ口頭だけでご案内する場合、お客さまがどこでつまづいているのかを把握しにくかったり、お客さまがご案内通りの操作をしているか分からなかったりと、どうしても意思疎通に課題がありました」(S.O. 氏)
また、問題の解決までに1時間以上もかかるケースもあり、お客さまへスムーズなご案内ができるよう、視覚的サポートが可能な機能が使用できるツールの導入が検討され始めた。
検討にあたっては導入、運用のコストはもちろん重要だが、それ以上に「お客さまの貴重な時間を出来るだけ浪費しないこと」が一番のポイントだったと H. K. 氏は話す。
「ツールを選定するにあたっては、そのツールを導入することでお客さまへのご案内時間を短くすることができるか、ストレスなくスムーズにお客さまが操作できるかでした。
その他の検討ポイントとしては、導入コストとお客さまの個人情報を保護するためのセキュリティでした。特にセキュリティ部分については、『くらしTEPCO web』の操作画面にはログインに必要なパスワードを含め、機微な個人情報が表示されているページがあるため、これを オペレーターが閲覧できることが、お客さまに不安感を与えてしまうのではと懸念していたのです」(H.K. 氏)
さまざまなツールを探し、比較検討していた頃に出会ったのが Withdesk Browse だった。
「Withdesk Browse は、比較検討の際に重視していたポイントを抑えていました。セキュリティ面では、『マスキング機能』によってお客さまの個人情報を隠すことができる点が高評価です。
Withdesk Browse の導入で社内承認を得る際には、Withdesk Browse の導入によってどの程度オペレーターの稼働時間が効率化できるかを試算し、さらにどの程度お客さまに提供できるバリューが増えるかも検討・説明しています。その結果、無事に社内からの承認を得ることができたため、Withdesk Browse の導入を決定しました」(S. O. 氏)
Withdesk Browse の導入にあたっては、「くらしTEPCO web」内への実装と並行してオペレーターへの研修や専用のトークスクリプト作成に力を入れたという。お客さまに提供できるバリューをより高めるため、どのような工夫がされたのだろうか。
「Withdesk Browse を利用するオペレーター向けに研修を実施しました。実際に Withdesk Browse を操作してもらい、ロールプレイングを実施しています。操作方法は非常にシンプルであったため、オペレーターからは操作方法について疑問の声が出ることはありませんでした。実際に操作をしながら『〜のような使い方はできるのか』『〜のようにご案内したらどうか』と議論しているオペレーターの声を参考に、画面共有時のトークスクリプトを作成しました。
トークスクリプトは『くらしTEPCO web』の操作案内を担当している部署に電話が転送されてからサポートする内容となっており、大きく3つの工夫があります。
1つ目の工夫が、トークスクリプトの内容をできるだけシンプルにしている点です。トークスクリプトはどうしても情報量が多くなりがちですが、お客さまとの会話中、ご案内中に混乱しないように配慮しています。
2つ目の工夫が、トークスクリプト内にお客さま側と、オペレーター側の PC 画面のスクリーンショットを並べて貼り付け、誰でも理解できるようなトークスクリプトを作成していることです。Withdesk Browse の接続方法や、お客さまが次に遷移する画面をオペレーターが把握できることで、混乱を防ぐことを目的としています。
3つ目の工夫が、お客さまのスマートフォン画面の操作案内専用のトークスクリプトを用意していることです。お客さまのほとんどはスマートフォンからお問い合わせいただくため、特に配慮が必要だろうとの結論になりました。具体的には、通話しながらスマートフォン画面を操作いただくため、イヤホンやスピーカーの利用を必ずご案内しています」(S.O. 氏)
Withdesk Browse の導入検討時期は、政府が推進するプログラムである「節電ポイント」が発表されたタイミングでもあり、通常時の5倍近くまで問い合わせが増加していた。「くらしTEPCO web」の操作方法に関する問い合わせも比例して増加しており、特にログイン方法や節電ポイントの確認方法、ポイントの交換方法に関するご相談が多かったそうだ。H.K. 氏は「画面共有サポートをすることができ、オペレーターも安心しています」と手応えを感じている。
「具体的な成果として、以前は60分ほどかかっていた画面操作のご案内が、30分に短縮できているイメージです。現場のオペレーターからも嬉しい声を聞いており、Withdesk Browse でようやく悩みを解決できたお客さまが泣いて喜ばれていたというエピソードも耳にしています」(H. K. 氏)
こうした具体的な成果やお客さまからの評価は、社内で「カイゼン好事例」として共有されたと S. O. 氏は笑顔で話す。
「『安心で快適なくらし』の実現に向け、お客さま一人ひとりの期待を超える価値の提供に取り組んでいきたい」と話す S. O. 氏に、お客さま対応に関する今後の展望についてお聞きした。
「『お客さまの期待を超える』には、目先の問題やお悩みを解決するだけでなく、もっと本質的にお客さまが必要としているサービスをご提供する必要があると考えています。生活インフラである電気やガスをご契約いただくことは、長期にわたって弊社とお付き合いいただくことでもあります。だからこそ、『お客さまがファンになっていただけるように』との姿勢を持ち続けてサービスを提供していきたいですね。
Withdesk Browse の活用に関しても、今後は『くらしTEPCO web』だけでの導入にとどまらず、他のオンラインサービスや複数のチャネルを通じたサポートにも活用できればと考えています」(S.O. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
サービスの詳細な説明をご希望の方はお問い合わせください
お問い合わせ