DX 戦略でお客さまの期待を超える感動体験を。クレディセゾンが取り組む、お客さまに寄り添うカスタマーサービスとは

1951年の創立以来、年会費無料のクレジットカードの発行やポイント有効期限の撤廃など、多くの“業界初”のサービスを打ち出し、クレジットカード業界を牽引する存在の株式会社クレディセゾン。消費活動のデジタルシフトに対応するため、独自の DX 戦略に取り組む同社では、一部明細サービスのウェブ移行に伴い、お客さま対応の強化を目的にコブラウズソリューション「Withdesk Browse(ウィズデスク ブラウズ)」の導入を決定した。

Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入プロセス、そして導入後の効果について、プロセシング事業部カスタマーサービス部 DX 担当の A. O. 氏と R. T. 氏にお話を伺った。‍

消費活動のデジタルシフトに対応するため、独自の DX 戦略に取り組むクレディセゾン

株式会社クレディセゾンでは「総合生活サービスグループへの転換」を中期経営ビジョンに掲げ、リアルとデジタルの融合によって理想のカスタマーサクセスを実現し、顧客体験の向上を目指している。その一環として取り組んでいるのが、事業部横断の「CS(クレディセゾン)DX 戦略」だ。CSDX 戦略の概要と狙いについて、A. O. 氏にお話を伺った。

「インターネットの普及によって、リアルを中心とした顧客の消費活動がスマートフォンを中心とした消費活動へデジタルシフトしました。対面チャネルを強みにしてきたクレディセゾンは、このデジタルシフトに対応するために CSDX 戦略を策定しています。

具体的には、ネット・アプリ会員の拡大や、デジタル化による業務の効率化に取り組んでおり、コールセンター業務を担うインフォメーションセンターもその対象です」(A. O. 氏)

同社のインフォメーションセンターでは、お客さまのあらゆる困りごとに対して、的確、丁寧、迅速に解決できる、安定したカスタマーサービスの実現を最も重要な目標に掲げている。そのため、KPI には通話時間や応答率がデスク毎に設定されており、定期的に CES(カスタマーエフォートスコア)アンケートを行い、お客さまの満足度を定期的に測定しているという。

「CES を分析した結果、インフォメーションセンターにお電話をいただく時点で、お客さまは大きな負担を感じていることが分かりました。問い合わせのお電話をいただく前に、ウェブサイトで FAQ を確認するといった、自力で解決しようと試行錯誤されていることが理由です。そのため、問題解決の最後の砦であるコミュニケーターは、なるべく迅速に問題を解決することが求められます。

もう1つ、弊社のコールセンターの特徴が『ワンストップオペレーション』を掲げていることです。これは、どのようなクレジットカードやサービスに関する問い合わせであったとしても、コミュニケーター間でたらい回しにせず、電話を最初に受けたコミュニケーターが解決までご対応するということです。

コールセンターによっては手続きや相談内容ごとに担当オペレーターが分かれていますが、弊社の場合はコミュニケーターがマルチ対応できるように高度なトレーニングをしています」(R. T. 氏)

多種多様なカードを取り扱うため、コミュニケーターの負担に課題。きっかけはウェブ明細への移行

カードの総会員数は3,600万人(クレディセゾン単体で2,500万人)を超え、多種多様なクレジットカードに関する問い合わせを受け付ける同社のインフォメーションセンターでは、CSDX 戦略を進める以前から多くの課題を抱えていたという。Withdesk Browse 導入の背景にあった課題を A. O. 氏が振り返る。

「当社のインフォメーションセンターでは、非常に多種多様なクレジットカードの問い合わせを受け付けております。そのため、現場で使用するマニュアルは3万ページという膨大なボリュームになっており、500名のコミュニケーターはこのマニュアルを熟知する必要がありました。そこで3万ページのマニュアルを簡単に検索できるシステムを開発して、コミュニケーターの負担を軽減しました。

また弊社では、ウェブやアプリのサービス拡大を推進しています。それにより、ウェブサービスに関する操作案内の件数が年々増えてきていました。お問い合わせいただくお客さまの大半は年齢層が高めであり、インターネット上の操作が不慣れであることが多く、解決までに1時間を超えてしまうケースも珍しくなかったことが、課題の背景にありました。

「実際に、コミュニケーターとお客さまのやり取りの録音を聞いてみたところ、どこのページでどのようにつまずいているのかを説明するだけでも、お客さまが苦労されていることが分かりました。また、コミュニケーター側でも、お客さまの IT リテラシーに合わせた操作案内にとても苦労している様子も、録音から伝わってきたのです。

私自身、もともとコミュニケーターとして業務をしていたので、この苦労はよく理解できました。コミュニケーターはお客さまが何にお困りなのかを把握するためには、電話口でお話をお聞きするしかなく、もどかしい思いをしていたのです。

こうしたコミュニケーターの課題を解決するには、新しくツールを導入すべきだとの考えに至りました」(R. T. 氏)

一部のクレジットカードの利用明細が、2021年11月からウェブ上に移行することが決定したことで、ウェブ操作に関する問い合わせ数の増加が予想されたことも、画面共有ツール導入が急がれた背景にあったという。

お客さまからではなく、コミュニケーター側から画面共有をご案内できることが導入の決め手に

同社の画面共有ツールの導入にあたっては、Withdesk Browse を含めた2社のサービスで比較検討を行っている。その際に重視されていたポイントについて、引き続き R. T. 氏と A. O. 氏にお話を伺った。

「私たちの要望として、ツールを導入したことにより、お問い合わせが増加するのは避けたいことでした。つまり、お客さま側から『画面共有ツールで案内してほしい』と相談をいただくのではなく、お客さまのお困りごとに対してコミュニケーター側から『攻めのカスタマーサービス』としてご提案することが理想だったのです。コミュニケーター1人が対応できる件数は限られていますので、本当に画面共有が必要なお客さまに、適切なタイミングでご案内できる必要がありました。

他社ツールの場合、アイコンをクリックするとコールセンターへの電話番号と画面共有を始めるためのパスコードが表示される仕様でした。

しかし、Withdesk Browse の場合はその逆で、アイコンをクリックしてもパスコード入力欄が表示されるだけなので、正しく画面共有するにはコミュニケーターからのご案内が必須になります。この仕様は、弊社の理想とする画面共有のご案内方法にマッチしていました」(R. T. 氏)

「個人情報保護のためのセキュリティ面も重視していたポイントで、パスワード記入欄や個人情報が表示される部分をマスキングできる点も高評価でした。ただ文字が見えないようにマスキングされるだけでなく、入力されている文字が全角・半角のどちらで入力されていることが分かる点は嬉しいポイントです。マスキングされた文字がコミュニケーター側にはアスタリスク(*)で表示されるのですが、半角で入力されている場合はアスタリスクも半角になるのです。

これによって、半角入力が必須となる箇所に間違って全角入力をしていても、コミュニケーターがすぐに気付いてご案内することができます」(A. O. 氏)

比較検討の結果、Withdesk Browse の導入が決定し、2021年11月のウェブ明細への移行に間に合わせるスケジュールでリリースが進められた。

1か月でリリースし、ウェブ明細への移行に間に合う。現場ではトークスクリプトの作成も

同社では、Withdesk Browse の導入決定からおよそ1か月でリリースを完了している。この1か月間で簡単な操作マニュアルや社内の運用ルールを作成し、コミュニケーターに向けて説明会を実施した。説明会では研修を兼ね、実際に Withdesk Browse を操作し、コミュニケーター同士でロールプレイングを行ったという。

「マニュアル作成時の工夫として、キャプチャを使用して分かりやすくしたことに加え、Withdesk Browse をスムーズにご案内できるようにトークスクリプトを準備したことが挙げられます。トークスクリプトは、現場で適宜改善しながら活用しています。

ただ、後からコミュニケーターに聞いたところ、作成したトークスクリプトの内容にこだわらずとも問題なくご案内できるツールであることに気が付いたそうです。丁寧に詳しく説明しなくとも、お客さま自身が直感的にすんなり操作できるツールでよかったと思います」(R. T. 氏)

説明会で実際に操作したコミュニケーターからは、操作方法に関する不満や相談はほとんどなく、結果として2021年11月のウェブ明細への移行に間に合うスケジュールで Withdesk Browse の導入が完了している。

会員サービスのウェブ移行を安心してサポート。お客さまに寄り添うカスタマーサービスにも貢献

取材実施時点では、月間およそ30〜60件のお問い合わせ対応に Withdesk Browse が活用されている。操作方法をご案内するお客さまのほとんどが60代以上、また PC とスマートフォンの比率は半々ではありつつも、少しずつスマートフォンからのお問い合わせ比率が上がってきているという。

Withdesk Browse 導入の成果について、A. O. 氏と R. T. 氏に振り返っていただいた。

「Withdesk Browse の導入によって、ウェブ明細への移行に伴うお問い合わせの増加に対し安心して対応することができています。

それだけでなく、お客さまに寄り添うカスタマーサービスにも貢献しました。画面共有をご案内したお客さまは、ほぼ問題なくウェブ会員登録に進むことができたため、満足度は非常に高かったとコミュニケーターから聞いています。また、一部では有人チャットによるカスタマーサービスで Withdesk Browse をご案内したケースもあったと聞いています」(A. O. 氏)

ウェブ画面の操作案内を電話だけでするには、お客さまに事細かく、画面の状況を説明していただく必要があります。それによりお客さまとコミュニケーター双方に負担と時間がかかります。

しかし、Withdesk Browse によって1つの画面をお客さまとコミュニケーターで共有するだけで、一目で画面の状況を確認することができるので、お客さまとコミュニケーターの負担を軽減することができるのです。(R. T. 氏)

加速する DX でお客さまを取り残さないための架け橋として Withdesk Browse を活用

「CSDX 戦略」を掲げ、リアルとデジタルの融合による理想のカスタマーサクセスの実現を目指す同社では、今後もデジタル技術を活用することでお客さまの疑問を解決する環境を提供していく予定だ。

「弊社では IT ツールを用いて業務を効率化するだけでなく、DX の本質的な目的である『デジタル技術の活用によるビジネスの変換』を目指しています。従来では実現できなかった、お客さまの期待を超える感動体験をご提供することを目標に、デジタル時代を先導する企業を目指してまいります。

今回の取り組みを振り返ると、Withdesk Browse はお客さまとコミュニケーターがつながる『架け橋』のようなツールだったと感じています。ますます加速していく DX にお客さまを取り残さないためにも、Withdesk Browse でお客さまと繋がり続け、お客さまの課題を解決する最後の砦として引き続き活用していきたいです」(A. O. 氏)

※掲載内容は取材当時のものです。

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