顧客対応時間を半分以下に短縮し、お客さまサービスの質を向上! メディケア生命保険が取り組んだ DX 推進プロジェクトとは
1929年に広島県初の百貨店として創業し、2024年に95周年を迎えた株式会社福屋。地元・広島のお客さまに愛される地域密着の百貨店としてだけでなく、「福屋オンラインストア」による商品の販売を通して、より快適な購買体験の提供に力を入れている。
オンラインストアを運営する EC・通販事業部ではお客さまからの問い合わせ対応だけでなく、商品の掲載や伝票の発行など、さまざまな業務を行っている。そのため、お客さまからの問い合わせ件数や対応時間が増えてしまうと、その他の業務に支障がでてしまい、残業が発生してしまうケースもあったという。
この課題を解決するために導入されたのが、コブラウズソリューション Withdesk Browse だった。 Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、EC・通販事業部の主任 M. H. 氏と S. Y. 氏、M. A. 氏にお話を伺った。
広島の百貨店福屋が運営している「福屋オンラインストア」を担当する EC・通販事業部には、現在3名の社員が在籍しており、オンラインストアに関連する業務のほとんどを対応しているという。2023年に EC・通販事業部へ配属となった S. Y. 氏に、普段の業務内容を伺った。
「オンラインストアに掲載する商品の品揃え計画や撮影・原稿作成、商品の登録作業、伝票発行、そしてお客さまからの問い合わせ対応まで、業務範囲はとても幅広いです。出勤後、前日の退勤後から出勤時間までの注文を確認し、その配送伝票を発行して各売り場に回すことから業務が始まります。その後、メールや電話によるお問い合わせ内容を確認し、一つひとつ対応していきます」(S. Y. 氏)
S. Y. 氏と同じく EC・通販事業部に所属する M. A. 氏は以前、自宅から電話でショッピングができるテレフォンオーダーのオペレーターだった。長年、電話を通してお客さまに向き合ってきた M. A. 氏に、お客さま対応の中で大切にしている考えについて伺った。
「福屋のお客さまはご高齢の方が多いため、オンラインストアで『注文完了』までたどり着けず、お困りになってお電話いただくケースは珍しいことではありません。まずはお客さまがどこで何にお困りなのかを丁寧にお伺いし、無事に『注文完了』ができるよう寄り添ってご案内することを意識しています。また、ご案内する際にはゆっくりと大きな声で、わかりやすい単語を選んで話すように心がけています」(M. A. 氏)
お客さまからの問い合わせは1日に約20件寄せられ、問い合わせに使用されるチャネルはメールと電話で半々の割合とのこと。「注文が完了できない」といったお問い合わせや、商品到着日の変更、届け先住所の変更など、さまざまなお困りごとが日々寄せられるという。
店舗の接客同様、電話でも丁寧なお客さま対応を心がける一方、EC・通販事業部では1件ごとのお客さま対応に時間がかかってしまうという課題を抱えていた。そのため、お問い合わせ対応以外の業務に支障が出ていたと、M. A. 氏は以前の状況を振り返った。
「電話対応全般でお客さま対応に時間がかかっていましたが、特にオンラインストアの操作に関するご案内は、1時間を超えていることがほとんどでした。最も時間がかかってしまうのは、お客さまがどこで何にお困りなのかを特定する作業です。どの画面で何にお困りなのかを特定さえできれば、適切なご案内ができるのですが、毎回オンラインストアの操作のご案内に苦慮していました。
ご案内時間全体に対して約3割の時間がお困りごとの特定に時間を要しており、お問い合わせの時間帯によっては他の業務が後回しになり、残業しなければならないこともありました。チームでも『この状態はなんとかしなければ』と考えるようになったのです」(M. A. 氏)
ウィズデスクからのご提案をきっかけに、初めて画面共有サービスを検討し始めた福屋。当時抱いた Withdesk Browse に対する印象について、M. H. 氏に伺った。
「電話口のお客さまが、オンラインストアのどこでお困りなのかをすぐに確認できるのは革新的であり、とても驚きました。他の百貨店さんでも導入されているという事例も参考にさせていただき、私たちのオンラインストアでも導入できそうだと自信を得ることができました。
また、当時すでに将来的なオンラインストアのリニューアルも想定していたため、今のうちに画面共有ツールに慣れておきたいという狙いもあり、Withdesk Browse の導入を即決しました」(M. H. 氏)
導入決定から約1か月後、「福屋オンラインストア」での Withdesk Browse の利用を開始した。その後、大規模なサイトリニューアルを実施したタイミングで、新しいオンラインストアでも、引き続き Withdesk Browse を利用している。 Withdesk Browse の設定に関するこだわりや工夫について、M. H. 氏に振り返っていただいた。
「Withdesk Browse 導入当初は、ヘッドホンのアイコンを利用していたため、お客さまに画面共有サポートをご案内する際には『ヘッドホンのアイコンをクリックしてみてください』とお伝えしていました。ただ、『ヘッドホンのアイコン』だとお客さまに伝わりにくいことが多々あったため、現在は福屋のシンボルマークである『F』のアイコンを採用しています。特に実店舗をご利用いただいたことがあるお客さまに伝わりやすくなり、以前よりも画面共有のご案内がスムーズになっています。
また、個人情報保護の観点からマスキング機能を使用しています。パスワードやお客さまのお誕生日、クレジットカード情報は私たちに見えないようになっており、そのことはお客さまにもお伝えし、安心して画面共有サポートをご利用いただけるようにしています」(M. H. 氏)
S. Y. 氏が EC・通販事業部に配属された当時、すでに Withdesk Browse が導入されていたため、お客さまの問い合わせ対応を行う前、チーム内でオペレーター役とお客さま役に分かれ、数回のロールプレイングによる研修を実施したという。
「配属されてから1週間ほどで Withdesk Browse の操作レクチャーを受けました。お客さま対応に関する研修の一環として実施され、1日も経たずに使えるようになり、初めてお客さまにオンラインストアの操作をご案内した時から問題なく利用できています。
最近では、ログイン方法のご案内やパスワードの再設定方法といったご案内だけでなく、目的の商品を一緒に探してカートに入れ、注文を確定するところまでをお手伝いすることもあります」(S. Y. 氏)
Withdesk Browse の利用を開始してから3年弱が経った現在、どのような成果が得られているのだろうか。引き続き、EC・通販事業部を統括する M. H. 氏にお話を伺った。
「たとえば電話口でお客さまを商品選びから注文確定までご案内した場合、少なく見積もっても1時間はかかっておりました。しかし、お客さまの画面を共有しながらご案内すれば20分以内で完了することができます。その他のオンラインストアの操作に関するお問い合わせでも、以前の半分以下の時間でお客さまをご案内できるようになりました。こうした成果は、当初の目的のひとつであったオンラインストアの売上向上にもつながっているものと考えています。
また、接客をしながらオンラインストア上でお客さまが悩んでしまう箇所を直接確認できるようになったのは嬉しいですね。ただの数字ではなく、お客さまの生の声をお聞きしながらオンラインストアの問題を確認できることで、サイトの改善にも役立てることができています。実際にお客さまがつまづきやすいところをこの2年間で15箇所ほどサイト改修をしています」(M. H. 氏)
スムーズにお客さまをご案内できるようになったことは、EC・通販事業部側だけでなく、お客さまにもそのメリットを感じていただいているという。実際に直接お客さまから感謝の言葉を受け取った M. A. 氏が、笑顔で振り返る。
「とあるご高齢のお客さまだったのですが、一緒に画面を共有しながらオンラインストアでの購入方法をご案内したところ、『私にもできた!』との言葉をいただき、私まで嬉しくなりました。
また別のお客さまにお歳暮の購入方法を Withdesk Browse でご案内したところ、後日わざわざ弊社の代表窓口の電話にお電話いただき、涙を流しながら感謝のお電話があったと総務部から取次がありました。今でもこの取次記録は、私の大事なお守りです」(M. A. 氏)
Withdesk Browse の導入によって、課題として挙げられていたお客さま対応の負担を軽減することができ、さらにはお客さまを注文確定までご案内することで逃していたかもしれない売上を獲得することができた。
また、画面共有によってお客さまがオンラインストア上で操作に悩む部分を把握したことで、サイト改修やチュートリアルソリューションの Withdesk Automate の活用にもつなげている。こうした改善は今後も引き続き続けていきたいとM. H. 氏は話す。
「現在弊社のオンラインストアでは Withdesk Browse による画面共有に加え、Withdesk Automate によるチュートリアルも実装しています。これによって、間違いなく以前よりも快適な購買体験をお客さまにご提供できているはずです。そのおかげもあってオンラインストアの会員数が右肩上がりで成長しています。
もっと便利なオンラインストアを目指し、まだまだ私が知らない新しいツールや技術を活用していき、オンラインでもお客さまに寄り添った接客を実現したいですね」(M. H. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
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