エフォートレス体験とは?重要性や実現するための方法を解説
平均コール価格(CPC / Cost Per Call)とはコールセンターでよく用いられる KPI です。ここでは CPC の意味や目標値の定め方などを解説します。
CPC とはコールセンターで1回の電話を受けたときにかかっているコストです。CPC が大きいほど電話対応にかかる費用が高くなっているため、改善の余地があると判断できます。
CPC はコールセンター全体の平均として1回の電話対応にコストがどれだけかかっているかを示す指標です。コールセンタースタッフの個々のスキルや、問い合わせの内容、電話をしている顧客などによって通話時間には違いがあり、コストも変わります。CPC は全体を平均化して評価する指標なので、コールセンタースタッフの個人評価ではなく、組織としてコールセンターの運営の仕方が適切かどうかを判断する KPI として活用できます。CPC が上がっているときにはコスト削減のための戦略を考えて取り組んでいくのが良いと判断することが可能です。
CPC の計算方法は以下の通りです。
CPC=コールセンター運営の総コスト÷電話での顧客対応件数
CPC に含まれるコストはコールセンターの運営にかかるあらゆる費用を指します。コールセンタースタッフの人件費、電話の通信費用、インターネットなどの環境整備にかかる費用といった業務に直結する部分だけを総コストにすることも可能です。しかし、一般的にはコールセンターのオフィス家賃や土地代、水道光熱費、採用費用なども含めて考えます。電話対応のためにシステムを取り入れている場合には、システムの利用料もコストに含まれます。この他にも業務の一部をアウトソーシングしている場合には業務委託費用が総コストに入るなど、さまざまな費用を加味して計算することが必要です。
企業によってコールセンターの役割に違いがあるため、CPC の一般的な目標数値はありません。1回の電話対応にかかる平均的な費用が異なるからです。例えば、事故受付やマイページなどのウェブ操作などに答えるコールセンターでは、専門的な知識や自社サービスに知見のあるオペレーターが対応しなければならないので人件費が高くなるでしょう。パートやアルバイトの人では対応が難しい場合が多いため、CPC は高くならざるを得ません。レストランやサロンなどの場合には予約の電話が多いですが、希望の日時について調整をするだけなので誰でも対応可能です。電話にかかる時間も短いので CPC は低めになります。
事業内容によって CPC の目標数値には違いがあるので、自社での目標数値を算出するのが大切です。KPI を設定するときには過去の CPC の推移を記録し、「1年間で10%削減」、「半年で50円削減」といった数値目標を立ててコスト削減の目標にするのが一般的になっています。CPC はコールセンターのコスト削減の施策をした結果を数値評価できるため、施策の効果を評価して今後も続けるかどうかの意思決定をするのにも用いられている指標です。
CPC の計算式を念頭に置いて考えると以下の原因が大きいと考えることが可能です。
コストが大きくなっていると CPC は高くなります。コールセンターを運営するのに必要なスタッフの人件費が高いのがよくある原因です。スキルの高いスタッフを常勤で雇っている、問い合わせがあまり多くないのに多数のスタッフを抱えている、給与の設定が高すぎるといったケースがあります。また、コストが高い原因としてインフラにお金をかけすぎている場合もあります。家賃が高いオフィスにコールセンターを置いている、オフィス環境を良好にするために空調を徹底して利かせたり清掃業者を入れたりしている、高い業務委託サービスを利用して一部の電話対応を外部に任せているというのがよくあるケースです。
1回の電話の処理にかかる時間が長いと CPC は高くなります。平均処理時間(AHT / 平均処理時間)を指標にすると問題があるかどうかを判断可能です。1回の電話を5分で処理できる場合に比べて、30分かかっている場合には1人のスタッフが処理できる電話の数が6分の1になります。その分だけスタッフを雇わなければならないので人件費が高くなるのは明らかでしょう。電話の平均処理時間が長いのは CPC が高くなる原因として多いので対策が必要です。
CPC を改善させるにはさまざまなアプローチがあります。ここでは効果が上がりやすい方法と施策として取り入れる際の注意点を紹介するので参考にしてください。
CPC を下げるには問い合わせの質を向上させるのが効果的です。顧客が FAQ やガイドページを読むことやチュートリアルサービスを利用してから問い合わせをすることにより、顧客が自己解決する可能性も高くなり、問い合わせ件数が減ってスタッフの雇用人数を減らせる可能性もあるでしょう。結果としてオフィスの縮小や電話代の削減もできる対策方法です。
IVR(Interactive Voice Response / 自動音声応答システム)やチャットなどによる問い合わせ方法を導入すると CPC を下げられる可能性があります。自動音声での応答だけで解決すれば人件費を削減可能です。また、チャットでの問い合わせであれば一人のスタッフが複数の顧客を同時に対応できるので人件費が下がります。チャットなどを導入する場合には CPC とは別のコスト評価の導入が必要になる点に注意しましょう。
外部委託の活用は CPC を下げられる可能性が高い方法です。コールセンターをアウトソーシングすれば人件費もインフラのコストもほとんどかからなくなります。アウトソーシング先の管理をするための最小限のスタッフで運営が可能です。ただ、アウトソーシング費用が高い場合があるので、外部委託先を慎重に選ぶ必要があります。電話対応のクオリティも委託先によって違うため、特に専門的な対応が必要な場合には委託先を厳選しなければ品質低下が問題になるリスクがあります。ただ、自社でコールセンタースタッフの教育や採用などをする必要がなくなるメリットもあるため、CPC を下げられることが多い対策方法です。
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