コールセンターにおけるサービスレベルとは?計算方法や応答率との違いについて解説

コールセンターを効果的に運営する上で、サービスレベルは非常に重要な概念です。ここでは、サービスレベルの意味や活用方法を解説します。

コールセンターにおけるサービスレベルとは

コールセンターにおけるサービスレベルとは、コールの問い合わせに対して、事前に設定した時間内にオペレーターが対応できた割合のことを指します。目標数値を設けてサービスレベルを定期的に計測すれば、それぞれの時点で十分なクオリティでコールセンターが運営できているかどうか、状況が悪化していないかどうかが一目で分かるようになります。もし数値が悪化していれば、速やかに改善策を講じて顧客満足度が低下するのを防ぐことができるでしょう。コールセンターの競争力を向上させるためにも、サービスレベルは重要な指標なのです。

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サービスレベルの計算方法と一般的な目標値

サービスレベルの計算方法は以下の通りです。

サービスレベル(%)=事前に設定した時間内の応答件数÷入電件数×100

例えば、入電数が1,000件で、事前に設定した時間内に対応した件数が700件の場合、「700÷1000」という計算式を解いて算出される70%がサービスレベルになるのです。

また、一般的な目標値として、入電から20秒以内に80%のコールに応答することを目指すケースが一般的です。ただし、サービス電話1件あたりの対応が雑になってしまうなど、デメリットも発生する可能性があるため、どういった目標数値を掲げるのかについては、会社にあわせて設定するのが良いでしょう。

応答率との違い

サービスレベルと混同される用語の一つに応答率がありますが、応答率コールセンターに寄せられた電話にオペレーターが対応できた割合を示すのに対し、サービスレベルは事前に設定した一定時間内にどれだけ電話に対応できたかを表すものとなっています。この両者は混同されることも多いのですが、実際には異なる内容となりますので、くれぐれも取り違えないように注意しなければなりません。

サービスレベルが低下する原因

次に、サービスレベルの低下につながる原因について見ていきます。サービスレベルは必ずしも一つの原因だけで下がるわけではなく、複数の原因が組み合わさって低下するケースもあるという点に留意しておく必要があります。

オペレーターの不足

コールセンターに寄せられるコールに対応できるだけのオペレーターが配置されていない場合には、どうしても対応できない入電数が増えてしまいます。1人で対応できる問い合わせ数には限界があるので、人手が足りないようであれば、何らかの対策を講じる必要があるでしょう。

オペレーターのスキル不足

人数が十分であっても、個々のオペレーターのスキルが不足している場合にはサービスレベルが低下してしまうおそれがあります。スキルが高いオペレーターとそうでないオペレーターでは、同じ時間で応対できるコールの数に差があるからです。スキルの向上は一朝一夕では行えないので、常日頃から研修などを通じて一定以上のスキルの維持に向けて取り組む必要があります。

業務プロセスの問題

非効率な業務プロセスによってサービスレベルが低下してしまう場合があります。例えば、1人のオペレーターが顧客対応の業務と併せて、取引先の問い合わせ対応などの複数の業務を兼務している場合、該当のオペレーターにかかる負荷が大きくなり、他の入電に応対ができなくなる可能性があります。そのような場合は、プロセスを見直して、各オペレーターのカバレッジを見直すというのも一案です。

サービスレベルを改善させる方法

オペレーターの増員

サービスレベルを改善したいのであれば、オペレーターの人数を増やすという手があります。ただし、人手を増やせば人件費が嵩み、コールセンターで使用するスペースも拡大する必要があるため、費用対効果を得られるかどうか、慎重に見極める必要があります。もし社内で追加の要員を抱えるのが難しいということであれば、コールセンター業務を請け負っている業者に委託するというのも選択肢の一つとして考えてもよでしょう。

平均処理時間(AHT / Average Handling Time)の改善

AHT とは、オペレーターが1件の電話の問い合わせ対応に要する平均時間です。この時間が短いほど多くの電話に対応できるようになるので、サービスレベルを上げたいのであれば、AHT の短縮に向けた取り組みが欠かせません。

具体的には、個々のオペレーターのスキルアップを図るだけでなく、ウェブサイト上のお客さまの課題を即座に把握できるコブラウズを導入するもの方法です。また、1人のオペレーターが余裕を持って顧客対応を行うため、頻繁に寄せられる問い合わせについてはあらかじめ、FAQ の準備することやチュートリアルを利用するのも良いでしょう。

平均後処理時間(ACW / After Call Work)の改善

ACW とは、顧客からの1回のコールにおいて、通話が終了した後の処理にかかった平均時間です。会話履歴の入力内容を簡素化することや、顧客対応を行う上で不要な業務の流れを再検討することで、ACW を改善できる場合もあります。また、他の部署へのエスカレーションが必要な業務が多くなるほど、ACW にかかる時間は長くなるため、オペレーターが一人で問い合わせ対応を完結させるため、コブラウズなどのシステムを導入するのも方法です。

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