平均処理時間(AHT / Average Handling Time)とは?長くなる原因と改善策について解説

コールセンター業務の中で使用する平均処理時間(AHT / Average Handling Time)について、意味や目標値、改善策などを解説します。

AHT が改善したコブラウズ導入事例

AHT とは

AHT とは、コールセンター業務においてオペレーターが顧客からの問い合わせを処理する際にかかった時間の平均です。AHT が短ければ、それだけ営業時間中に多くの顧客の問い合わせを処理できていることを意味します。結果として、オペレーターの人員を増やさずとも顧客の問い合わせの処理を効率よく行うことができるため、コールセンターのサービスレベルが向上し、顧客満足度向上に繋がります。

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AHT の計算方法

平均処理時間の計算方法は以下の通りです。

平均処理時間 = 平均通話時間(ATT / Average Talk Time) + 平均後処理時間(ACW / After Call Work)

ATT とは実際の顧客との通話にかかった時間の平均で、ACW は顧客との通話を終えた後の応対記録入力、VOC(Voice of customer / 顧客の声)の記録、顧客の依頼内容に応じた手続き作業などの処理にかかった時間の平均を指します。また、実績ベースで計算する場合、総通話時間と総保留時間、さらにフォローアップにかかった時間を全て合計した上で通話件数で割ると AHT が算出できます。AHT を指標として用いる場合は、通話時間と保留時間、フォローアップ時間、通話件数を普段から記録しておきましょう。

AHT の一般的な目標数値

コールセンター向けにブラウザで AHT の計算ツールを提供している callcentrehelper.com が2022年9月にツールを使用したユーザーの計算結果を平均したところ、6分3秒という結果が出ました。callcentrehelper.com はこの6分3秒という数値が全ての業界においてひとつの目標になるとしています。

ただし、業界ごとにコールセンターに求められる役割や寄せられる質問、対応は異なるため、必ずしも6分3秒が適切な目標というわけではありません。6分3秒という数値はあくまで目安の一つとして考えつつ、自社が属する業界の AHT はどれくらいの水準が求められているのかを見極めることが、目標設定においては重要となると言えるでしょう。

AHT が長くなる原因

AHT が長くなる原因はさまざまなものが考えられます。それぞれの原因について、以下で詳しく見ていきましょう。

難しい案件が多い

単純に難度が高い案件が多く寄せられたことで AHT が伸びたというケースが考えられます。例えば、何らかのトラブルによって顧客からのイレギュラーな問い合わせが相次いだり、新商品を発売した直後で回答マニュアルの整備が追いついていない状況など、どんなに熟練のオペレーターが対応したとしても通常より問い合わせの処理に時間がかかるものです。俯瞰的に AHT を確認した時に特定の時期だけ突出して AHT が長くなっている場合は、難しい案件が集中した一時的な繁忙状態が原因である可能性も考えた方がよいでしょう。

オペレーターのスキルが低い

コールセンターを立ち上げた直後であったり、ベテランのオペレーターが退職したした際に、AHT の目標水準を大きく下回るケースがあります。これは在籍しているオペレーターのスキル水準が低くなっていることが原因で、オペレーターが経験を積みスキルを磨いていくことで徐々に AHT は改善していきます。また、オペレーター業務の講習を開催したりオペレーターの経験が豊富な人員を外部からスカウトしたりすることも、オペレーター全体の平均スキル水準を向上させることに繋がっていくでしょう。

オペレーターが担当する業務が多い

オペレーターがこなさなければならない業務が多い場合、AHT も業務量に比例して長くなっていきます。このケースは、先述した ACW の長さを確認することで見抜くことが可能です。CRM ツールを活用してオペレーター業務の省力化を図ったり、一部業務をアウトソーシングしたりすることで ACW の短縮を図ると良いでしょう。ACW が短くなれば、その分 AHT も短くなっていきます。

AHT を改善させる方法と注意点

AHT を改善させるにはさまざまな方法がありますが、大前提として原因をしっかりと見極めることが重要です。AHT が長くなっている原因はどこにあるのか、問題点を切り分けることで自ずと解決策も定まります。また、AHT の改善を行う上では「ただ応答時間を早くする」ことに固執しないようにしましょう。極端に短い応対をした結果、生産性を上げることはできても顧客満足度が低下するという本末転倒な結果になってしまう恐れがあります。先述したように、顧客満足度と AHT の改善のバランスを取ることが重要なのです。これらを踏まえた上で、具体的な改善方法を見ていきましょう。

オペレーターのスキルを向上させる

ATTACW の両方が長い場合はオペレーターがコールセンター業務に慣れていないと考えられます。よって、お客様対応のロールプレイングやシステムの使用方法のガイダンスなど、オペレーター向けの研修やセミナーを開催してオペレーターのスキルを向上させることが有効です。コールセンター全体のスキルレベルを向上させるためにも、全てのオペレーターを対象に定期的に教育を実施しましょう。

顧客が自己解決できる環境を整える

問い合わせ件数が多くオペレーターの負担が高くなっている場合は、よくある質問や商品・サービスに関しての情報を網羅的にまとめたコンテンツやチュートリアルを利用するのがおすすめです。顧客自身が疑問について自己解決できるようになれば、オペレーターの負担が減り、AHT の改善に繋がることでしょう。具体的な手段としては、お客様用 FAQ ページを用意したり、チュートリアルを導入したりすることなどが有効です。

利用ツールを整備する

会話時間、即ち ATT が長い場合、喋る内容がきちんと定まっていないことが原因として挙げられます。その場合、マニュアルを整備して顧客から電話を受けた際の対応やよくある質問に対する回答をテンプレートに落とし込むのが改善策となるでしょう。想定される会話の流れをチャート化しておく方法も、対応をスムーズに行う上で役に立ちます。また、コールセンター向けコブラウズを導入すると、顧客が閲覧しているウェブページをオペレーター側に共有して遠隔操作を含めたサポートを行うことができるため、ATTACW の短縮が期待できます。これらのマニュアルやシステムを導入することで、快適にコールセンター業務を行う環境を整え、AHT の短縮に繋げることが可能となるのです。

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