平均通話時間(ATT / Average Talk Time)とは?長くなる原因や注意点も解説

コールセンター業務の中で使用する中で使用する平均通話時間(ATT / Average Talk Time)について、長くなる原因や改善方法、注意点について解説します。

ATT が改善したコブラウズ導入事例

ATT とは

ATT とは、コールセンター業務においてオペレーターが顧客との通話の接続時間の平均です。顧客からの受電を開始してから完了までの純粋な通話時間の平均となるため、通話後に通話内容やデータを記録する時間は含まれません。ATT は、数値に含める範囲の全ての通話時間を足し上げ、その範囲の通話件数で割るという計算方法で算出できます。ATT は一般的に、6-7分になるケースが多いです。ATT が短いほど通話の回数が多くなるため生産性が向上し、ATT が長いほど1度の電話対応に時間が長くかかっているため回転が悪くなり生産性が下がるというのが一般的な考え方となります。

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ACW、AHT との違い

ATT と混同しがちな用語に平均後処理時間(ACW / After Call Work)平均処理時間(AHT / Average Handle Time)があります。ACW は顧客対応後の通話履歴の入力など、顧客対応後の処理にかかる時間の平均です。ATT と ACW の和が、AHT になるという関係性です。

ATT が長くなる原因

それではなぜ ATT が長くなるのでしょうか。主な原因は次に挙げるようなものです。

顧客の話が長い

顧客の話が長いため、通話時間も長くなるという原因が1つ考えられます。例えば、高齢者は話が長くなりやすい傾向にあります。1人暮らしの高齢者は、職場の同僚などと話す機会がなく、また家族と話す機会も少ないため、コールセンターとの通話でつい他の話に脱線していくなどから、会話が伸びやすいのです。また、クレーム対応の多いコールセンターも、顧客の話が長引きがちな傾向にあります。顧客は自分の不満を相手に十分伝えたいという気持ちがあり、また不満によって感情的な状態になっていることもあるので、話が短時間では終了しないことも多いのです。

オペレーターの説明が長い

顧客ではなく、オペレーターの説明が長いため ATT に影響している場合もあります。オペレーターの説明が長くなる原因はさまざまで、説明があちこちに散らばってしまい筋道立っていない・要点が不明瞭・専門用語を使っているため顧客に説明がなかなか伝わらない、などが挙げられます。オペレーターには、通話時間が長いほど丁寧な対応をしていて良いことだと認識している人もいます。確かに丁寧な対応は悪いことではありませんが、それにより業務全体の生産性が下がってしまえばそれは問題と捉える方が良いです。

ATT を改善する方法と注意点

ATT を改善させる方法と改善を考える上での注意点を解説します。

原因の解明と目標設定

ATT の長さを改善するための最初の1歩は、原因の解明です。前述した通り、ATT が長い原因は複数あります。なぜ通話が長くなりがちなのか、対応フローや実際の通話内容を分析し、原因を突き止めます。原因がわかれば、適切な改善策も考えやすくなるでしょう。原因が明確になったら、目標の通話時間を設定します。これは、コールセンター全体でも各個人でも大丈夫です。設定する際のポイントは、無理のないレベルで考えること。いきなり厳しい目標を設定すると、結果的に守れず意味がなくなったり、無理に目標をクリアしようとしておざなりな対応になってしまったり、良い影響がありません。適度に努力すれば実現できるくらいの、ちょうど良い目標を設定することが大切です。

オペレーターのスキルを向上させる

オペレーターのコミュニケーションスキルや会話のスキルを向上させることも大切です。例えば顧客の話す時間が長いなら、オペレーター側が常に話の主導権を持って脱線などを上手に防ぎながら、顧客の問い合わせ内容の根幹を把握し、コントロールしながら会話をすること。また、オペレーターの話が長いのであれば、それは説明の要旨がはっきりしていないなど、伝える力が十分でないと考えられます。オペレーター向けの研修やトレーニングを実施し、オペレーター1人1人のスキルアップをさせると良いでしょう。話が長い顧客は、話の途中でオペレーター側から質問を織り交ぜ会話の主導権をつかむきっかけにする、話を要約するなどの会話術も有効です。どうしても話が終わらない顧客に対しては、丁寧さを意識しながらも時間を区切って話を終わらせることも必要でしょう。

ツールを整備

顧客対応マニュアルや FAQ を作成するのも ATT 改善のため有効な方法の1つです。「こんなときどう対応すれば良いのかわからない」「顧客に尋ねられたことに上手く回答できず話が長くなってしまう」といったオペレーターの悩みを解決できます。疑問が生じたとき、マニュアルや FAQ などすぐ自分で解決できるものが近くにあれば、長い時間をとらず通話を終えることができるでしょう。

また、ウェブ操作に関する問い合わせで ATT が長くなる場合は、コブラウズを利用し、顧客の画面を共有しながら遠隔操作含めてサポートするのも一つの方法です。

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